白山権現(はくさんごんげん)は、白山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神さまです。十一面観音菩薩を本地仏とし、白山大権現、白山妙理権現とも呼ばれます。
加賀・美濃・越前には登拝のための拠点が築かれたほか、その神霊は全国の二千七百もの社に勧請され、神仏分離・廃仏毀釈が行われる以前は、全国の白山権現社で祀られました。
白山 剣ヶ峰(左)御前峰(右)
は、最高峰の「御前峰」、「大汝峰」、「剣ヶ峰」の白山三峰を中心とした周辺の山峰の総称です。
白山は多くの霊山と同様、古くは人間が足を踏み入れることが許されない禁足の山でした。
養老元年(717年)に越前の修験者「泰澄」が、御前峰に登拝して山頂に祠を祀って以来、日本を代表する神仏習合の霊山として崇敬を集めます。
伝承によると、越前や加賀の窟で修行に明け暮れていた泰澄は、あるとき女神の示現にあい、「私は白山妙理権現である。私の真の姿が見たければ白山山頂に来たれ」と告げられます。
人跡未踏の山頂に到達した泰澄は、山頂近くの「転法輪の岩屋」にて祈ります。すると翠ヶ池から火を吐きながら九頭竜があらわれますが、泰澄がさらに祈ると龍はその身を変じ、女神の本地仏である十二面観音が神々しい姿てあらわれたとされます。(別伝には伊弉冉尊から十二面観音へと変じたとも伝えられる)。
泰澄に顕われた三神(白山妙理権現、大行事権現、大汝権現)を併せて「白山三所権現」と称し、さらに白山修験が隆盛すると、白山妙理権現の眷属として五王子権現も祀られます。
旧称 | 本地 |
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白山妙理権現 | 十一面観音菩薩 |
大行事権現(垂迹は菊理媛神) | 聖観音菩薩 |
大汝権現(大己貴命) | 阿弥陀如来 |
旧称 | 本地 |
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太郎王子 | 不動明王 |
次郎王子 | 虚空蔵菩薩 |
三郎王子 | 地蔵菩薩 |
四郎王子(毘沙門天) | 文殊菩薩 |
五郎王子 | 弥勒菩薩 |
三馬場のうち、加賀国の白山寺白山本宮は廃寺。白山比咩神社に強制的に改組されます。越前国の霊応山平泉寺も同様に廃寺となり、平泉寺白山神社に改組されます。
美濃国の白山中宮長滝寺は廃寺は免れたものの、長滝白山神社と天台宗の長瀧寺に強制的に分離される形となりました。
全国の白山権現社の多くは、菊理媛神を祭神とする神道の白山神社となっています。
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