水分神(ミクマリ)はどんな神さま?ご利益・神社紹介
水分神(みくまりのかみ)と水分神社水分神(みくまりのかみ)とは?水分神は『古事記』登場する水を分配する神さま。神名の「み」は水、「くまり」は「配り」の意味で、山谷より流れる水を田畑に配分して、灌漑かんがいの便を図り給う神とされます。天水分神は天からの水の分配を司り、国水分神は地上の水の分配を司るとされます。名称古事記天之水分神(あめのみくまりのかみ)国之水分神(くにのみくまりのかみ)日本書紀天水分神(あめのみくまりのかみ)国水分神(くにのみくまりのかみ)別称水分大神(みくまりのおおかみ)天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)御子守明神神格水の神農耕神田の神ご利益子授け・安産上下水道関連守灌漑治水守護井戸守護雨乞い五穀豊穣関連神祖父母神伊邪那岐神(イザナギ)伊邪那美神(イザナミ)親神速秋津比古神(ハヤアキツヒコ)速秋津比売神(ハヤアキツヒメ)あなたの「金運」を強力に引き上げる祈祷師の護符水戸の神の御子日本神話では神産みの段で、伊邪那岐神イザナギと伊邪那美神イザナミから生まれた速秋津比古神ハヤアキツヒコと速秋津比売神ハヤアキツヒメの子として登場します。親神、兄弟神すべて水に関連した神さまで、水分神は水を分配する神とされます。そのため、水の守り神として水源や河川の上流や分水嶺に祀られることが多く、地域によって田の神や山の神とも結びつくケースもあります。水分神の兄弟神沫那藝神あはなぎのかみ沫那美神あはなみのかみ河と海の境目に生じる泡の神頬那藝神つらなぎのかみ頬那美神つらなみのかみ水面の神天之水分神あめのみくまりのかみ国之水分神くにのみくまりのかみ天と地の水を分配する神天之久比奢母智神あめのくひざもちのかみ国之久比奢母智神くにのくひざもちのかみ水を汲むひさご(杓)の神河の水は海へ流れ、海の水は蒸発して雲を作り、雨となって再び大地に降り注ぐ。水分神とその兄弟神はこの水の循環を表しています。人々の生活に必要不可欠な水を象徴する神々です。後に、「みくまり」が「みこもり(御子守)」とも解され、子供の守り神として子授け・安産のご利益があるとして信仰されるようになりました。水分神を祀る神社延喜式神名帳に記される水分神社水分神を祀る神社は全国にありますが、「延喜式えんぎしき」では奈良県の葛木、吉野、宇太、都祁の水分神社、大阪府の建水分神社、天水分豊浦命神社の6つの神社があります。吉野水分神社奈良県吉野郡吉野町吉野山1612葛木水分神社奈良県御所市関屋248都祁水分神社奈良県奈良市都祁友田町182宇太水分神社奈良県宇陀市菟田野古市場245建水分神社大阪府南河内郡千早赤阪村大字水分357天水分豊浦命神社(止止呂支比賣命神社境内内)大阪府大阪市住吉区沢之町1-10-4白山神社(堰口神社)青森県八戸市尻内町60熊野宮青森県平川市町居山下19赤城神社群馬県前橋市富士見町赤城山 4-2堰神社神奈川県厚木市長谷1611天水分神新潟県上越市中郷区岡川杉原神社富山県富山市八尾町黒田3166惣社水分神社奈良県宇陀市菟田野区上芳野648水分神社 滋賀県長浜市木之本町川合1238建水分神社大阪府南河内郡千早赤阪村大字水分357天水分豊浦命神社大阪市住之江区安立2-55籠神社京都府宮津市字大垣430佐波神社山口県防府市惣社町6番地2号奈良県に水分神社が多い理由大和国(奈良県)は盆地という地形から、雨が少なければ干ばつ、多ければ水害というように水に悩まされた地域でした。このような背景から、水分神を祀る「宇太水分神社、葛木水分神社、吉野水分神社、都祁水分神社」を大和国四所水分社として建立。祈雨・雨乞いの神事が行われてきました。『続日本紀』には、698年(文武天皇2年)に吉野水分神社で雨乞いのために馬を献じたとも記されます。祈雨・祈止雨儀礼に対応できる神社52社と神々85柱を『延喜式』臨時祭「祈雨神祭85座」といいます。内訳は、大和国が29社36座、摂津国が9社18座、河山城国が11社24座、内国が2社6座、和泉国が1社1座。大和国が多いのはそれだけ水に悩まされていた地域という裏付けであり、古くから水分神が信仰されてきたことがわかります。
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