出典:遮光器土偶(日本の神々辞典)
船霊さまは船や乗船者の守護神とされ、航海関係者に信仰される神さまです。女神とされますが正体は一定しておらず、様々な神や仏を対象として祀られています。航海の安全や漁業の豊穣を願う信仰の対象となされます。
船霊 | 船玉 | 船魂明神 |
オフナサマ | フナダマサン | フナダンサン |
船の守護神 | 乗船員の守り神 |
航海安全 | 大漁 |
あなたの「金運」を強力に引き上げる祈祷師の護符
船霊さまがどういう神であるかは古来一定していません。
たとえば、『倭訓葉』、『船霊神記』では住吉大明神。『神道名目 類聚鈔』、『幸神祕訣』では猿田彦神。『和漢船用集』では釈迦如来、大日如来、深位如来、正観音としています。また、天照大御神、稚日女尊、事代主命、須勢理毘売、由良姫神、和多須神、弟橘媛としている場合もあります。
諸説ありますが、本来は船に宿るとされる神霊信仰がもとになっていると考えられます。
ちなみに海外で船霊さまにあたるものは、船首や船尾に女神を模した船首像です。ドイツやオランダでは船首像に船を守る妖精が宿るという伝説があり、中国では航海・漁業の守護神として媽祖と呼ばれる道教の女神が挙げられます。
船の守護神は世界各地で信仰されていることがわかりますね。
船霊(船玉)は、船や乗船者の守護神とされ、航海関係者に信仰される神さまです。船霊の御神体は地域によって異なりますが、一般的に男女一対の人形、十二枚の銭貨、女性の毛髪、二個の骰子、五穀などで構成されています。船霊は女神とされるため、櫛や鏡、ハサミ、化粧品を加える場合もあります。
これらを船体の中央部、帆柱の真下のツツやモリと呼ばれる部分に納めます。この封入の儀礼は、 萩藩の御座船(藩主が乗り込む船)建造の記録等では 「筒居」 と記されており、 造船儀礼中で最も重要な行事とされていました。
近年では船霊の代わりに航海安全の神札を機関室などに納めることが多いようです。
船霊を主に祀るのは漁民や船大工です。船が完成すると棟梁は船霊をまつる儀式を執り行います。
木造の進水式の前に船霊を納める儀式が行われることが通例で、この神事は「お精根入れ」や「ゴシン入れ」と呼ばれ、多くの場合神職ではなく船大工が行います。海上では「カシキ」と呼ばれる、炊事を担当する少年が稲穂などを捧げて世話をします。
毎年1月の2日か11日に船霊祭として「船迎え」という行事を行うところもあります。大漁時には船霊さまに御神酒を捧げて感謝します。
ちなみに、船主が交代したり、事故が起こったり、不漁が続いた際には船霊さまを祀り直すのが慣例とされます。
船霊にまつわる俗信として、魚の群れや嵐が迫ると、船霊が音を発して知らせてくれると言われています。金属的な連続音が鳴り出すと、関係者は船霊が「いさむ」、あるいは「しげる」と言い習わしています。
船霊は女神であるとされることから、海上に女性を連れて行ったり、女性が1人で船に乗ると、憑かれたり、天候が荒れたりするそうです。元来は巫女が入ったものと考えられ、その女性を指して「オフナサマ」といったためにこのようなタブーができたと考えられます。
舟の妖怪談として徳川家康の安宅船「安宅丸」話があります。志の低い者や罪人が乗り込もうとすると、唸り声をあげ乗船を拒否し、さらには嵐の夜に「伊豆へ行こう」と声を出し、自ら江戸を出航したそうです。
その後安宅丸は廃船処理されますが、『新著聞集』の記述によると、この船材を購入した男の女房に安宅船の霊が憑りつき、精神に異常をきたしたそうです。その魂を鎮めるため、本所深川の安宅町に塚を築き供養したとされます。
次回の満月(新月)は2024年12月1日(日)
祈祷師が満月と新月の日だけに作成する「金運護符」
一人ひとり専用に作成するため月20名限定です。
※締切日11月30日23時まで