出典:思金神(Art Mochida Daisuke)
オモイカネとは?
知恵の神、高天原の司令塔とも呼ばれる神さまです。岩戸神話、国譲り、天孫降臨といった重要な場面で必ず登場する知恵者。その
『記紀神話』には登場せず、民間信仰では箒神として知られる神さまです。文字通りゴミを掃くホウキという日常的な道具から発した、生活に身近な屋敷神(家の神)です。
名称 |
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矢乃波波木神(やのははきのかみ) |
別称 |
箒神(ほうきがき) |
屋敷神 | 産神 |
家屋敷の守護 | 安産 | 家内安全 |
招福 |
箒神は人間の生と死、とくに出産に深く関係する神さまと言われます。
理由は諸説ありますが、一般には「掃く」の名詞形はハハキで、その音は「母木」に通じることから生命を産む木と考えられ、お産のときに妊婦と赤ん坊を守護する神さまとされます。
さらに、ゴミを掃き出し清掃する力は、穢を祓う呪術に通じ、容易に胎児をはき出す安産守護の霊力として発揮します。
俗信ではホウキが霊魂をかき集める呪物として信じられ、ホウキで妊婦のお腹を撫でて安産を願ったり、座敷ボウキを逆さに立てて手ぬぐいをかぶせて、長居の客を早く掃き出したいと願う呪的行為に用いられたりします。
ヤノハハキ神は、アマテラス大神が鎮座する伊勢神宮内宮の板垣の外側、東南隅に祀られています。古来、朝廷が伊勢宮地の敷地の神霊として崇めたといい、本来は屋敷神、土地神の性格を持つ神格だったことがうかがえます。
そのため、この神さまの原像は土地に宿る神霊で、土地に住む人々の生活を守る産土神ともされます。
ヤノハハキ神が産土神と同じかというとそうではなく、むしろ産土神の生と死を支配する機能のうち、生命を生み出す霊力と、ホウキのはき出す呪力が結びついて、ヤノハハキ神という神格が生まれたと考えられます。
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