手水舎(てみずや)での手水の作法

手水舎

「明治神宮」より

 

神社に行くとみんなお参り前に手を洗ってるけど、あれって何?やり方ってあるの?

 

あれは手水舎(てみずや)といって参拝者の穢れを洗い流す場所です。こちらでは手水舎での正しいやり方と由来について説明しています。

 

ちなみに手水舎の読み方は様々。「てみずしゃ」「ちょうずや」「ちょうずしゃ」とも呼べますし、手水舎ではなく「水盤舎(すいばんしゃ)」や「御水屋(おみずや)」と呼ばれるところもあります。

 

手水舎は神前に出る前の準備です

各神社の入り口付近には上記の写真のような手水舎があります。ただの手洗い場と思って通り過ぎる人もいらっしゃいますが、ここは神前に出るための準備として身を清める大事な場所です。

 

手水舎は水屋・水盤社とも言われます。神社の境内の中にあり、屋根と柱だけの建物の中に水盤が置かれ、柄杓(ひしゃく)が供えられています。

 

手水舎の多くは四方が吹き抜けていて、屋根と柱、水口と水盤からなります。水盤に刻まれている「洗心」という言葉は手を洗い、心を洗うという意味です。参拝するたび行なう事なので手水舎の作法をおぼえておきましょう。

 

手水舎で清める手順

手水舎の手順

 

以下の手順は柄杓一杯分の水でおこないます。

 

左手を清める

まず手水舎の前で一礼します。右手に柄杓を持ち、水盤からお水汲んで左手に水をかけて洗い流します。

 

右手を清める

柄杓を左手に持ち替えて、右手を洗い流します。その後、再び右手に持ちかえます。

 

口を清める

左手の手のひらに少量の水をため、その水を口に含んで軽くすすぎます。なお、柄杓に直接口をつけることを杓水と呼び、無作法とされています。必ず手のひらにためてお水を口に含みましょう。

 

柄杓の柄の部分を洗い流す

柄杓の柄を下にして立て、柄杓に残ったお水で柄を洗い流します。使用した柄杓を元の位置に伏せて戻しましょう。

 

最後に手水舎の前で一礼します。

 

一般的には手水舎で最初と最後に一礼する人は少ないので必ず行う必要はありません。心のなかで「ありがとうございました」と伝えればOKです。

 

コロナ対策で手水舎が使用できない

最近は感染対策として神社の手水舎が使用できないところが多いようです。出雲大社では柄杓を使わない流水手水で対応、福井市の賀茂神社では自動水栓を導入していますが、多くの神社では使えない状況です。

 

水を使わない手水の方法として「草手水」「花手水」「芝手水」「雪手水」というのがあります。草木の葉や花、または雪を手でこすって清める方法です。他にもペットボトルや水筒を携帯したり、ウェットティッシュなどで対応しましょう。

穢を落とす手水の起源は神話から

禊をするイザナギ尊

禊をする伊邪那岐神

伊邪那岐命が海で禊をしたことが由来

手水の由来は神話に描かれています。イザナギ神がイザナミ神を追いかけて黄泉の国(死者の国)へ行くも、変わり果てたイザナミ神を見て黄泉の国から逃げ帰りました。

 

体に付いた黄泉の穢れを落とすため、筑紫の阿波岐原という場所で禊をおこない、身を清めました。この時も多くの神が生まれました。

 

五十鈴川

伊勢神宮の内宮にある五十鈴川

手水舎は禊を簡略化した作法

手水の起源は神道に由来し、聖域を訪れる際に周辺に流れる河川の水や湧き水で身を清めていた事に始まります。神社の近くには御手洗川や祓川と呼ばれる川があることが多く、ここで人々は身を清めていました。

 

しかし、その都度川に入るのは大変なので、手水舎を利用して「禊」を簡略化したとされます。

 

神さまは穢れ(汚れ)が嫌いなので、汚れたままお願い事しても聞いてくれないかもしれません。手水で身を清めてからお参りしましょう。

 

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