金毘羅さんはどんな神さま?姿と伝承|ご利益・神社紹介

金毘羅神

出典:金毘羅神(Art Mochida Daisuke

こんぴらさんとは?

江戸時代末期から明治にかけて大流行した俗謡の『金毘羅船々』の「追手に帆をかけてシュラシュシュシュ・・象頭山(ぞうずさん)金毘羅大権現・・」で、広く庶民に親しまれた神さまです。海の神、船の神とされ全国に約600社ある金刀比羅神社に祀られています。

 

金毘羅神の名称・神格・ご利益

名称

金毘羅権現
金毘羅大権現
護法善神金毘羅
象頭山金毘羅大権現
大物主
こんぴらさん

神格

漁業の神 航海の神 農業殖産の神
船の神

ご利益

農業守護 商売繁盛 金運上昇
航海安全 海難よけ 大漁祈願
交通安全

 

あなたの「金運」を強力に引き上げる祈祷師の護符

様々な「顔」を持つ神さま

クンピーラ神

インド神話のクンビーラ神

 

金毘羅権現は、香川県象頭山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神さまです。

 

象頭山松尾寺の縁起によれば、修験道の役小角が象頭山に登った際に、護法善神金毘羅(クンビーラ)の神験に遭ったのが開山の由来とされます。

 

クンビーラはもともとガンジス川に住む鰐(ワニ)が神格化したもの。ガンジス川を司る女神ガンガーの乗り物だったことから、海上交通の守り神としても信仰されました。

 

日本に入ってくると海神や龍神とされ、海難や雨乞いの守護神として信仰されます。古来、雨乞いの神というのは五穀豊穣をもたらす神でもあります。

 

それゆえに農業関係者からの信仰もあり、特に雨が少ない地方では田植えの時期に干ばつに悩まされることが多く、人々は金毘羅さんに参拝し降雨を祈ったとされます。

 

仏教では、釈迦を助けた薬師十二神将(仏教の守護神)の1人とされており、宮毘羅大将または金毘羅童子と同一視されます。

 

龍王や夜叉神王という別称もありますが、多くの眷属を司り、自らも大夜叉神として仏法を守護するとされます。

 

神道では、明治元年(1868年)の神仏分離令により、金毘羅大権現は金刀比羅宮と改称。金毘羅権現は大国主の和魂(大物主)と同体であるとして、主祭神の名は大物主と定められます。

日本各地に勧請された航海安全・海難救済の神

金毘羅さん

出典:金毘羅さま「日本の神々辞典」

 

金毘羅さんの本拠地は四国香川県の琴平町にあります。

 

金刀比羅宮の社伝が建つ象頭山(琴平山)は本来「日和山」と言って、船を出すかどうかを判断する際に日和を見る(天気を予測する)ために利用されている山でした。

 

古くから瀬戸内海を航行する船乗り達にとって重要な目印であり、海上の安全を願い信仰されてきました。それが後に、金毘羅信仰が全国に広がる下地になったと考えられます。

 

全国に広がった理由の1つに塩飽水軍が挙げられます。塩飽水軍は金毘羅権現を深く信仰し、全国の港で金毘羅信仰を広めることに貢献していたとされます。

 

讃岐の金毘羅大権現は皇室に崇敬されることにより群を抜く霊威を獲得し、全国各地の日和山の神霊や名もない海の神が祀られていた場所に勧請されるようになります。

 

それが金比羅神社、金刀比羅神社、琴平神社と呼ばれる神社です。これにより金毘羅信仰が全国的に広がっていきます。

 

航海の神、船の神として船乗りから信仰される

金毘羅さんは昔から航海の神、船の神として漁業や航海に関わる人々に厚く信仰されました。新しい船が作られると、船主は船頭や船員をともなって金毘羅さんに参拝し、船の絵馬を奉納するのが習わしになっています。

 

江戸時代には海が荒れて難破しそうになったとき、船頭が髷を切って金毘羅神に祈誓すれば、危機を免れるという信仰もあったことから船乗りたちから崇敬されました。

 

しかし、船乗りの金毘羅信仰者には守るべき禁忌もありました。

 

それは蟹、川魚、韮、海糠(あみ)を食べてはならないというものです。もし食べてしまった場合は、船中に必ず祟りがあるとされたそうです。

 

江戸中期の随筆『斉諧俗談』によると、金毘羅権現の山(象頭山)に金毘羅坊という天狗がいて、それを祈ると霊験が著しいが、祟も甚だしいとあります。

 

これら記述を見ると、金毘羅神は霊験ある神として神聖視され、また、畏れられていた神ということがわかります。

全国的に金毘羅参りが盛んになり様々な代理参拝が生まれる

昔から「讃岐のこんぴらさん」として全国的にその名親しまれ、江戸時代には伊勢参りと並んで「金毘羅参り」が盛んになり、庶民信仰として大いに広まりました。

 

これに伴い四国には、丸亀街道、多度津街道、高松街道、阿波街道、伊予・土佐街道をはじめとする「金毘羅街道」が整備されます。

 

しかし、江戸時代の庶民にとって金毘羅参りの旅費は負担が大きいものでした。

 

そこで「金毘羅講」という互助組織(講)を結成して講金を積み立て、選出された講員が各金毘羅講の代表として参詣する、要は代理参拝してもらう人が多かったようです。

 

金毘羅さんへの流し樽

金毘羅さんへの流し樽

 

こんぴらさんへの代参で有名な「流し樽」

金毘羅溝以外にも代理参拝の方法として、「流し樽」というものがありました。賽銭を入れた酒樽に「奉納金毘羅大権現」というのぼりをつけて海に流すというものです。

 

これは見ず知らずの者に代参を依頼するもので、海でそれを発見した船は「福がある」として、かならず拾い上げて金毘羅宮まで届けたそうです。

 

流した人も届けた人にも心願成就のご利益があると伝わります。

 

ちなみに酒樽の神酒は飲んでもいいですが、新しい酒を詰め替えなければ神罰がくだるそうです。

こんぴらさんを祀る神社

金刀比羅宮(総本社) 香川県仲多度郡琴平町892-1
根室 金刀比羅神社 北海道根室市琴平町1-4
虎ノ門 金刀比羅宮 東京都港区虎ノ門1-2-7
子安神社(金刀比羅神社) 東京都八王子市明神町4-10-3
武州柿生 琴平神社 神奈川県川崎市麻生区王禅寺東5-46-15
金刀比羅神社 新潟県新潟市中央区寄合町4579
安井金比羅宮 京都府京都市東山区下弁天町70
金刀比羅神社 京都府京丹後市峰山町泉1165-2
琴平神社 高知県南国市里改田2607
別所琴平神社 熊本県熊本市中央区琴平本町12−27

その他全国の琴平神社、金刀比羅神社。

 

神仏分離以降は香川県琴平町の金刀比羅宮が全国に約600社ある金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)の総本宮となっています。

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