出典:「日本の神々辞典」より
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三社で祀られる神さまの総称。熊野権現、熊野大神とも呼ばれます。熊野の山岳信仰が発祥とされ全国に3,000以上の社があります。ちなみに熊野神の神使(神の使い)はサッカー日本代表のエンブレムにある三本足の八咫烏です。
総称 |
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熊野神(クマノノカミ) |
家都御子神(けつみこのかみ) |
別称:櫛御気野命(くしみけぬのみこと) |
熊野速玉男神(くまのはやたまのおのかみ) |
別称:速玉男之命(はやたまのおのみこと) |
熊野夫須美神(くまのふすみのかみ) |
別称:夫須美神(ふすみのかみ) |
国土平穏 | 延命長寿 | 無病息災 |
開運招福 | 出世成功 | 商売繁昌 |
病気平癒 | 厄除け | 盗難除け |
縁結び | 夫婦和合 | 子宝・安産 |
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熊野信仰の本拠地は、紀伊国(和歌山県)の熊野にあります。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三社があり、総称して熊野三社、あるいは熊野三山、三熊野などと呼ばれます。そこに祀られるのが熊野神とされます。
ちなみに熊野神の使いは、神武東征神話の中で熊野の道案内の役目を果たした八咫烏です。サッカー日本代表のエンブレムで有名になりましたね。
熊野神とカラスの関係は古く、昔、この地に熊の神が海(他界)から上陸した際に、一羽のカラスが現れて案内をしたという伝承があるそうです。もしかしたら、これが神話の話のモチーフになっているのかもしれませんね。
熊野三山の護符である牛王宝印(ごおうほういん)には三本足のカラスの絵が描かれています。牛王札はかつては非常に神聖視され、武家の主従の誓いや、遊女と主人の間の約束事などを書く誓紙としても使われました。また、魔除けとしても扱われます。
とくに、牛王札の誓紙で約束したことを破ると、そのたびに熊野三山のカラスが一羽づつ死ぬといわれたほどでした。
熊野本宮大社の祭神であるケツミコ神はスサノオ尊の別名ともいわれていて、その性格は樹木神とされています。多くの木種をもってやって来て、息子のイソタケル命と妹のオオヤツヒメ命やツマツヒメ命に熊野一帯に植えさせてた結果、この地に樹木が繁殖したといわれています。
イソタケル命が全国の植樹事業を終えたあと、この地に住んだことから古く「木の国」と呼ばれていましたが、のちに改められて「紀伊国」になったことが日本書紀に記されています。
このことから本宮大社に祀られているケツミコ神は、熊野の山や樹木の精霊としての性格をもっている神霊とされます。
熊野速玉大社の祭神であるクマノハヤタマノオノ神はイザナギ命とイザナミ命の御子「事解男之命(コトトケオノミコト)」ともいわれています。
熊野三山は、それぞれ山、滝、海という自然を背景にしていますが、他の二社がそれぞれ山と滝に関係していることから、速玉大社は海ということになります。
それを裏付ける神事として、神輿を船に載せて海上を渡御し、神霊を島に渡らせるというものがあります。これはおそらく漁業守護の信仰に関係した祭礼とみられます。
クマノフスミ神は熊野那智大社に祀られており、名滝として知られる那智の大滝をご神体としています。この神さまはイザナミ命そのものであるといわれたり、アマテラス大神とスサノオ尊が誓約をしたときに生まれたクマノクスビ命ともされます。
熊野三社はそれぞれに主祭神は異なりますが、一方で相互に祭神を勧請してそれぞれの神を一緒に祀っています。そうすることで共通性をもつようになり、一般に三社の神霊を総称して熊野神、または熊野大神と呼ばれます。
熊野は古くから山岳信仰の聖地とされてきましたが、もとは那智の滝の神秘性から発祥したものとされます。
平安時代になると密教が盛んになり、その影響で熊野の山岳信仰は修験道として興隆。熊野山伏の拠点となりました。
熊野山伏によって発展した熊野三山は、朝廷の厚い崇敬を受け、歴代の多くの天皇、上皇、皇后、女院が熊野に行幸しました。
鎌倉・室町時代には、武家や庶民の間にも熊野信仰が広がり、多くの人々が蟻の行列のように続々と熊野へ訪れる様子が「蟻の熊野詣」といわれるほど人気も広がりました。
この人気の背景には、諸国を巡って熊野信仰を広めた御師(御祈り師、または委託神職のこと)や熊野比丘尼などの活動がありました。
彼らが全国を歩いて信仰の組織を開拓し、熊野三社の神霊を勧請したのが、各地にある熊野、王子、十二所の名で呼ばれる神社です。
熊野本宮大社(熊野座神社) | 和歌山県田辺市本宮町本宮1110 |
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熊野速玉大社(熊野新宮) | 和歌山県新宮市新宮1 |
熊野那智大社(熊野夫須美神社) | 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1 |
その他全国の熊野神社、十二神社など
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