大年神

大年神(おおとしのかみ)のご利益や神社

大年神・御年神・若年神

 

名称
古事記
大年神(オオトシガミ)
別称
年神(トシガミ)
大歳神(オオトシガミ)
御年大神(ミトシノオオカミ) 
年徳神(トシトクジン・トンドサン)
正月さま(ショウガツサマ)
神格
農業神 穀物神 恵方神
ご利益
諸産業降昌 家内安全 開運 除災招福
夫婦和合 縁結び 厄除け 子宝
金運
関連神
妻神 子神
伊怒比売 大国御魂神・韓神・曾富理神・白日神・聖神
香用比売 大香山戸臣神・御年神
天知迦流美豆比売 奥津日子神・奥津比売命・大山咋神・庭津日神・阿須波神・波比岐神・香山戸臣神・羽山戸神・庭高津日神・大土神

 

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大年神はどんな神さま?

豊年満作を約束するめでたい神さま

大年神は民族信仰で年神や年徳神として知られる稲実りの神と同一神とみられる神さま。

 

『古事記』ではスサノオ尊とカミオオイチヒメ命の間に生まれた神とされます。名前の「年」は祈年祭(としごいまつり)のトシで、豊年をつかさどる霊力を象徴しています。

 

年神には「大年(大晦日)の客」と呼ばれる昔話が日本各地にあります。

昔、あるところに貧しい家がありました。大晦日の晩に、大変貧しい身なりの人が一晩の宿のを求めてやってきたので、親切な家人は土間にむしろを敷いて寝かせてあげました。翌日、目覚めてみるとその人の姿はなく、代わりにむしろの上にたくさんのお金が残されていました。そのおかげで、貧しい家は非常に裕福になりました。その話を聞いた村人は「年神様がきたのだ」と言い、あやかるために大年に年神さまを祀るようになった。

 

これは年神を祀るようになった由来を伝える話です。この話に登場する不思議な客は、去来神(来訪神)そのものであり、常世国からやってきた福の神のような神霊です。そこに農耕神(穀霊)の性格が加えられた存在が大年神であると考えられています。

 

大年神「仙台東照宮」

 

お正月にやってくる神さま

大年神の理解を深める意味で、民族信仰の大年神についてみてみよう。民間の重要な年中行事のひとつに、正月で各家に年神棚などを設けて年神様を祀るというものがある。呼び方も年徳神、お正月様、恵方神など地方によってさまざまであり、もちろん大年神の名で呼ぶところも多いです。

 

正月に迎える年神は稲作に関わる神さまであり、現在も農家ではこの神さまを祀る伝統が色濃く残っています。新年の伝統的な風景である松飾りや供え餅など、正月の飾りや行事などの多くは、もともとが年神を祀る習俗からきています。

 

新年を迎えて家に年神がやって来ることによって、すべてのものは新しいエネルギーを得ることができる。年神信仰のベースにあるのは、穀霊の「死と再生」という考え方です。穀霊の死と再生がしっかりと繰り返されることが豊穣の源であるという観念は、穀物を主食とするようになってからのもの。穀物の豊かさはすなわち家の平安や繁栄につながります。

 

また、年神は祖霊信仰とも密接に関係しています。実際に豊作の守護神である年神を、家を守ってくれる祖霊と同じようにとらえ、正月に先祖様が帰ってくるとして家の中に年神棚を設けて祀る地方もある。

 

出雲国の建国に際して大国主神に力を貸した豊年・豊作の神

神話では出雲国建国の話に登場します。有力な片腕であったスクナヒコナ神を失ったオオクニヌシ神が、出雲国の建国と運営のために優秀な人材を求めて祈りを捧げていると、それに応じるかのように遥か遠くの海上から光り輝いて大年神が現れます。

 

大年神は「これまで三諸山の山上にいたが、これより大和国の青垣山に祀れ」とオオクニヌシ神に告げます。そうすれば一族をあげて力を貸すと伝えます。こののち大年神はイノヒメノ神をめとり、大国御魂神(おおくにたまのかみ)、韓神(からのかみ)、曾富理神(そふりのかみ)、白日神(しらひのかみ)、聖神(ひじりのかみ)の五注神をもうけます。

 

また、香用比売神(かぐよひめ)との間には大香山戸臣神(おほかぐやまとみかみ)、御年神(みとしのかみ)をもうける。さらに天知迦流美豆比売(あめちかるみづひめ)との間には奥津比売命(おきつひめ)、大山咋神(おほやまくいのかみ)、奥津日子神(おきつひこ)、奥津比売命(おきつひめ)、大土神(おほつち)、阿須波神(あすは)、波比岐神(はひき)など多くの神をもうけます。

 

いずれも国土造営、農耕、生産にかかわる神々で、これら大年神の一族がオオクニヌシ神を全面的にサポートします。出雲国はますます発展し、盤石な基盤が整っていきます。

 

歳徳神

 

年徳神は恵方の先にいる神さま

年徳神は陰陽道で、その年の福徳を司る神さまとされます。その姿は女神としての歳徳神が描かれますが、神話に出てくる大年神は男神であり翁の姿をしています。元々民間信仰の神ということもあり、その姿は様々に考えられていたようです。

 

中世頃から日本の一部で「年神」は「年徳神)」と呼ばれるようになります。徳は得に通じることで縁起が良いとされたためです。また、方位学にも取り入れられ、歳徳神のいる方角は「恵方」と言って縁起の良い方角とされます。

 

かつて初詣は自宅から見て恵方の方角の神社に参る恵方参りという習慣がありました。近年では節分の行事に恵方を向いて太巻きの丸かぶりを行う「恵方巻」の風習があります。

 

年徳神の有名な話として、正月の支度をしていた時、翁と出会い、待ち合わせをしていた童と交代で帰って行くのを見届けいたら数日が過ぎ、すっかり年が明けてしまったと思っていたら時間は経過しておらず、童が今年の年神である事に気付くという話があります。

 

農作を守護する神と家を守護する祖霊が同一視することから年神を祖先の霊、祖霊として祀る地方もあります。田の神も祖霊も山から降りてくるとされていたためとみられます。年神さまは、立派な神社から田んぼ脇の小さな祠まで各地に無数にあり、五穀豊穣祈願の神として信仰されています。

大年神を祀る神社

下谷神社 東京都台東区東上野3-29-8
大歳御祖神社 静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102-1
阿多由太神社 岐阜県高山市国府町木曽垣内1023
飛騨一宮水無神社 岐阜県高山市一之宮町一の宮上5323
香良洲神社 三重県津市香良洲町高砂3675-1
大和神社 奈良県天理市新泉町306
大穴持神社 鹿児島県霧島市国分広瀬1090

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