子安神は安産を守護する神さまです。出産をつかさどり、出生時と産婦を保護する神さまとされる産神が、子安神の原型として考えられています。原則的に神道の神は、不浄や穢れを嫌うものとされていますが、産神に限っては出生の血の穢れを忌避しないといわれています。
産神が特定の地域を守る土地神と結びついた民族信仰の神が産土神で、この産土神の神徳の一つが子安神に発展しました。
子安神の古い例は、貞観18年(876年)7月に美濃の「児安神」に従五位下が授けられたとある『三代実録』。その後、正二位子安大明神『美濃国内神名帳』となり、その祭神は神功皇后『美濃明細記』とある。民間信仰の産土信仰としての子安神が神道に取り入れられていった一例となります。
福岡県糟屋郡宇美町の宇美八幡宮の境内には、神功皇后にまつわる安産守護の霊力があるとされる槐の木や子安の石が存在。由緒によれば、神功皇后がその枝に取りすがって出産したといわれます。
また子安の石は、妊娠した人がその石の一つを預かって帰れば、安産のご利益があるとされます。無事に出産を終えたあとは、石を返すとともに、別の石に新生児の名前や生年月日などを書いて納める習わしがあります。
伊勢神宮の内宮にも子安神社がありますが、その祭神は木花開耶命となっている。これは猛火の中で三柱の御子神を安産し、自身も無事であったという伝説に基づくものといわれます。
また子安神社を磐長姫とする場合もあります。磐長姫が生む子は寿命が永くなるという日本神話の伝承に由来するようです。木花開耶命と磐長姫は姉妹であり、ともに大山祇神の子。山神の神徳をもっていることから山神を子安神とする見方もあります。
子安神は中世以降に仏教とも結びついて、子安地蔵や子安観音などが生まれます。名称は異なっていても、子と母を守る子安信仰が元になっている点は変わりありません。
子安信仰の形態は多様であり、西日本では観音信仰と結合して子安観音となり、堂または神社の形となっています。東日本、とくに関東地方東部では、子安地蔵、あるいはただ子安様と称して、地域の既婚婦人による講集団によって祀られる形が多いようです。
子安神社 | 宮城県黒川郡大郷町粕川西長崎20 |
---|---|
唐松神社 | 秋田県大仙市協和境字下台84 |
子安神社 | 福島県田村市都路町古道前田1-1 |
大宮子易両神社 | 山形県西置賜郡小国町大宮237 |
子安神社 | 茨城県水戸市笠原町991 |
子安神社(東野寺) | 茨城県かすみがうら市東野寺239-1 |
子安神社 | 茨城県北相馬郡利根町大房83 |
櫻井子安神社 | 千葉県旭市櫻井1264 |
子安神社 | 千葉県山武郡横芝光町母子 |
子安神社 | 神奈川県伊勢原市石田707 |
子安神社 | 東京都八王子市明神町4-10-3 |
子安八幡神社 | 東京都大田区仲池上1-14-22 |
子安八幡神社 | 山梨県甲府市国母1-22-14 |
子安宮澤神社 | 山梨県大月市賑岡町奥山1020 |
杉田子安神社 | 静岡県富士宮市杉田215 |
子安神社 | 岐阜県大垣市赤坂町4026-2 |
子安神社 | 愛知県大府市共和町子安90 |
児安神社 | 石川県金沢市大樋町11-1 |
子安神社 |
三重県伊勢市宇治館町 |
子安神社(神内神社) | 三重県南牟婁郡紀宝町神内958 |
子安神社 |
岡山県岡山市北区一宮1043 |
子安神社 | 奈良県奈良市雑司町400 |
安子神社 | 島根県出雲市湖陵町常楽寺757 |
子安神社 | 徳島県阿南市桑野町大地28 |
兒安花神社 | 高知県高岡郡四万十町仕出原 |
宇美八幡宮 | 福岡県糟屋郡宇美町宇美1-1-1 |
子安神社 | 佐賀県佐賀市富士町大字栗並586-1 |
乙姫子安河原観音 | 熊本県阿蘇市乙姫2120 |
次回の満月(新月)は2024年12月15日(日)
祈祷師が満月と新月の日だけに作成する「金運護符」
一人ひとり専用に作成するため月20名限定です。
※締切日12月14日23時まで