古事記 |
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高倉下命(たかくらじのみこと) |
日本書紀 |
天香山命「あめ(あま)のかぐやまのみこと」 |
別称 |
天香語山命 |
倉庫の神 | 農業神 | 開発神 |
石油の神 |
産業開発守護 | 農漁業守護 | 製塩業守護 |
農業守護 | 開運招福 | 出世成功 |
厄除け | 病気平癒 |
祖母神 | 天照大御神(アマテラス) |
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父神 | |
弟神 | 瓊瓊杵命(ニニギ) |
同一視される神 | 高倉下命(タカクラジ) |
出典:霊剣献上之図「越後一宮 彌彦神社」
アメノカグヤマ命は、アメノホアカリ命の子であり、アマテラス大神の孫です。
神名の天香山は「天上にある山」のこと。父神が稲穂の神霊で、弟神が天孫降臨神話のニニギ尊という系譜から、基本的な性格は農耕神とみられます。
『日本書紀』ではニニギ尊に随伴した多くの神々のなかの一神として地上に降り、紀伊国(和歌山県)熊野の地に住んだとされます。
『先代旧事本紀』の「天神本紀」には、ニギハヤヒ尊の天孫降臨に従った32柱の1柱とされ、別名を「高倉下命」として紀伊国の熊野邑に住みます。
後の神武東征では、熊野に上陸したが大熊の毒気にあたって失神する神武天皇を、高天原から降ろされた布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)によって救う功績をあげます。
アメノカグヤマ命は神武天皇即位四年に、勅命により越後国(新潟県)に移り国内を平定します。
以後、浜の人々に製塩の方法を、漁民には網を作って漁をする方法を、農民に耕作の方法や酒造法を教えて産業興降に尽くしたとされます。
そのいろいろな施策を指揮した場所が、弥彦山の現在でいう弥彦神社のある地といわれています。現在も越後開拓の祖神として「いやひこさま」、「おやひこさま」の名で人々から親しまれています。
弥彦神社のある弥彦山は『万葉集』にも「伊夜彦のおのれ神さび棚引く日すら小雨そぼ降る」と詠まれています。その時代から弥彦山に鎮座する神は、人々の心に篤い信仰を集めていたことがわかります。
また新潟平野の地下深くには石油や天然ガスが埋蔵されていることから「おやひこさま」は石油開発の守護神ともされています。石油が「越後の燃える水」と呼ばれ、朝廷に献上されたのが661年~670年の天智天皇の時代といわれており、その歴史は古いです。
本格的に石油開発されたのは明治以降のことで、エネルギー源として石油の重要度が増すなかで、この神さまは石油開発の守護神としての性格を強めていきます。
ちなみに明治に創業した日本石油の新潟製油所には、弥彦神社から勧請した「伊夜日古神社」が祀られています。
アメノカグヤマ命は尾張国(愛知県)の有力氏族の祖神という顔もあります。
弘仁2年(811年)成立の古代氏族の系譜書「新撰姓氏録」には、この神の父神にあたるアメノホアカリ命を祖とする尾張氏が、もともと住んでいた大和国(奈良県)葛城から尾張国に移住。
尾張地方に勢力を張り、この地の開発神として御子神であるアメノカグヤマ神を尾張国一の宮に祀ったとあるそうです。これが現在の一宮市に鎮座する真清田神社とされます。
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