アマツヒコネ命は雨乞いの神、風の神として崇敬されています。
『古事記』によるとアマテラス大神とスサノオ尊の誓約の際に、スサノオ尊が噛み砕いて吹き出したアマテラス大神の角髪(みずら)にまいた玉の緒の玉から生まれた5神のうちの一神とされます。
一緒に生まれた神はアメノオシホミミ命やアメホヒ命、イクツヒコネ命がいます。
アマツヒコネ命は各地の有力な氏族の祖神とされおり『新撰姓氏録』には、犬上県主・蒲生稲置・菅田首・額田部連・額田部湯坐連・三枝部造・高市県主・奄智造・凡河内国造・凡河内直・津国造・山背国造・山背直・磐城国造・磐瀬国造・菊多国造・周淮国造・馬来田国造・師長国造・茨城国造・周防国造らの祖神とされています。
氏族の分布は、近畿から関東に広がっていることから、アマツヒコネ命は各地の氏族が信奉していた土着神(産土神)の集合体とも考えられています。
そこから考えられるこの神さまの原像は、農業や漁業の守り神、産業開発の神といった各地の土着神がもつさまざまな霊力を備えた神霊とみれます。
各地の有力氏族が信奉する神だったからこそ、神話のなかでアマテラス大神の子という高い位置にいるのでしょう。
多度神として祀る桑名市の多度大社周辺では平安時代初期頃にはこの辺り総氏神として崇められていたとされます。
アマツヒコネ命が祀られている多度大社の別宮には、一目連神社が祀られています。
祭神の一目連神は、アマツヒコネ命の子神であるアメノマヒトツノカミ。この神さまは金属鍛冶の祖神として有名で、このことから多度大社は金属工業の守護神としても信仰されています。
多度大社には昔、背後の多度山に1つ目の龍が住んでいたとされ、1つ目の龍を祀ったのが創祀という伝承があるそうです。
神社の創建は雄略天皇の時代(456~479年)と伝わり、祭神がアマテラス大神の御子であることから伊勢神宮に対して北伊勢神宮と呼ばれました。
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